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駒ヶ根市にある純米だけの日本酒を造る、純米 清酒 信濃鶴 醸造元　酒造株式会社　長生社 に言ってきました。

信濃鶴を造る長生社を取材したかったのは、こちらのブログでたまに取り上げられている銘柄で『伊那谷にも銘酒があるのか･･･』と言うことを知ったからです。

専務取締役杜氏の純米酒ブログから問い合わせると、「酒造りが落ち着く春になってからお越しください･･･」との返事をいただき、今回の取材が実現しました。

4月の天気の良い昼下がり、信濃鶴を造る杜氏で長生社の専務であられる、北原 岳志さんをたずねました。

長生社は小さい造り酒屋が集まって、大正9年の創業されました。当時から「信濃鶴」の銘柄で日本酒を造っていました。

北原さんはひいお爺ちゃんから、信濃鶴を造る長生社の後取りになるよう、子供の頃から色々なことを教わったそうです。

北原さんは大学を卒業してから長生社を手伝い始めました。その頃の北原さんは後継者として長生社の経営を行うものと考えていたそうです。

『経営者も酒造りのことを知らなければ･･･』と考える、元銀行員のお父さんである現在の社長の方針で蔵に入り酒造りの現場で働き始めました。しだいに酒造りにみせられ杜氏としての道を歩み始めたそうです。

北原さんが酒造りを始めた頃、長生社では本醸造酒の信濃鶴を造っていました。本醸造酒とは、原材料に醸造アルコールが入っているものです。

北原さんは一生懸命麹や酵母の世話をして、丁寧に仕込んだものに、最後醸造アルコールをドボドボ入れて、アルコール度数を調整することがどうしても許す事ができず、自分が杜氏になると、周りからの反対意見を振り切り、本荘造酒を造るのをやめ、純米酒のみ造る酒蔵に変えてしまいました。


「信濃鶴の味は変わったりするのですか？」の問いに

「私が杜氏になって大分変わってしまいました」と答えてました。

北原さん1人のこだわりで、先代、先々代から受け継がれていたものを変えてしまうのは、変更に対してゆるぎない理由と、自信がなくては推し進められないと思います。そういった点からも、北原さんはかなり酒造りに対してこだわりがある人だと言う事が伝わってきます。

北原さんはマイルドな口調で酒造りの話してくれますが、その内容は

美味い酒を作るために惜しまない設備投資
外部から杜氏を呼ばないで社員だけで作る酒造り
本荘造酒と別れを告げ純米酒しか造らないという徹底した姿勢

などどれもイエスorノーがはっきりとした力強い話です。

味は基本的に個々のものなので色々な言い方ができそうですが、「どんな日本酒を造っているのですか？」のベタベタな問いに北原さんは「自分が美味しいと思う日本酒を造っています！！」とキッパリ回答してくれました。

北原さんは酒造りに対する回答がどれも潔いので、長生社が世に送り出している『信濃鶴』は、進んでまな板の上の鯉となりさばかれるのを待っている･･･、という感じがします。